文芸誌放談

日本の文芸シーンの最先端である文芸誌を追っかけ、格付けし、思ったことなどテキトーに。

★★★★☆面白い!

「『事の次第』を読んでる」保坂和志(「新潮」2013年5月号)

★★★★☆ 面白い!面白い、小説じゃないけど。ベケットとの関係をずっと考え続けてる著者ならではの作品だなと思った。保坂のベケットに関する文章を読むと、ベケットの面白さが際立って伝わるからすごい。自分でベケットを読んでるとしばしば見失ってしまうも…

「始発まで」絲山秋子(新潮 2013年5月号)

★★★☆☆ ふつう、ってか面白いんだけど、よく掴めない。保留。 夢のなかで龍一は絶望を買いに行ったのだった。(p49) 多分、気付けなかった何かがこの作品に入ってる気がする。もしくは、この作品を読むと自分のなかから忘れてた何かが出てくるんだろうなと思う…

「苦麻の森」池澤夏樹(「新潮」2013年5月号)

★★★★☆ 面白かった。意外だったが面白かった。(あらすじ)仁井田は社会福祉協議会の一員で、故郷を追われ東京で避難生活を続けている人たちを訪問するなかで、菊多と出会う。菊多は元教員で大熊町に住んでいたが、いまは66歳の一人身として東雲の高層マンショ…

「神と増山喜十郎」絲山秋子(新潮 2013年3月号)

★★★★☆ 面白い! (あらすじ)女装趣味の増田喜十郎は、齢70を超えたいまその歓びを満喫している。しかし、だからといって増田は以前からエキセントリックで自由奔放なキャラクターだったわけではなく、ごく普通に、他人に影響を与えることをできるだけ少なく…