文芸誌放談

日本の文芸シーンの最先端である文芸誌を追っかけ、格付けし、思ったことなどテキトーに。

2013-04-09から1日間の記事一覧

「うなぎ屋の失踪」角田光代(「新潮」2013年5月号)

★★★☆☆ ふつう。離婚経験があったり、男女がうまくいかなかったりしながらも一緒にいたり、こういうハナシを深く読み取れる方々もいらっしゃるのだろう、俺にはわからないだけで。 とくに技巧をこらした文章というわけでもなく、構成が凝っているわけでもなく…

「ショッピングモールで過ごせなかった休日」(「新潮」2013年5月号)

★☆☆☆☆ ツマラナイ。 切れ味で勝負するヒトなのかな、ちょっと前に発表されてた戯曲も読んでないからわからないけど。この作品は思い付きで書いただけなんじゃないか、という印象しかない。終わらせかたも、好みではないな。

「始発まで」絲山秋子(新潮 2013年5月号)

★★★☆☆ ふつう、ってか面白いんだけど、よく掴めない。保留。 夢のなかで龍一は絶望を買いに行ったのだった。(p49) 多分、気付けなかった何かがこの作品に入ってる気がする。もしくは、この作品を読むと自分のなかから忘れてた何かが出てくるんだろうなと思う…

「苦麻の森」池澤夏樹(「新潮」2013年5月号)

★★★★☆ 面白かった。意外だったが面白かった。(あらすじ)仁井田は社会福祉協議会の一員で、故郷を追われ東京で避難生活を続けている人たちを訪問するなかで、菊多と出会う。菊多は元教員で大熊町に住んでいたが、いまは66歳の一人身として東雲の高層マンショ…

「Serch and Destroy」阿部和重(「新潮」2013年5月号)

★★★☆☆ ふつうです。 (あらすじ)貴崎はこの40年間の日本のトレンドを作ってきた広告・マスコミ業界の人間で、派手な生活をしてきたし、60を超えた今もそう。そんな彼がパーティーを終え女の家に向かう途中、オヤジ狩りに遭う。その集団は、世代間の格差に不満…