文芸誌放談

日本の文芸シーンの最先端である文芸誌を追っかけ、格付けし、思ったことなどテキトーに。

「ある出立」高村薫(「新潮」2013年5月号)

★☆☆☆☆ ツマラナイ。読み続けるのがちょっとキツイ。

(あらすじ)初老の男性だろうか、旅行のために駅にいる。すこし早く到着したため、古い友人(決して仲の良い間柄ではない)たちはまだ到着していない。ベンチに腰掛け、周囲の人間観察。サラリーマン、家族連れ・・・

主人公が内省していることを独白している形式。読んでいて、ナタリー・サロートを思い出した。この種の文章は、時間に余裕があるときは読めるんだけど、慌ただしい生活のリズムの中で読んでも言葉が自分に入ってこない。今日はそんな感じだった。サロートも、自宅では全然読めなかったのに、ジョードプルからバラナシへの電車のなかでは楽しく読めた。
というわけで、今の自分にはちょっと無理。評価できません。